【読者メモ 14】サブスクリプション「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

読書メモ14冊目は、ティエン・ツォ著「サブスクリプション「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル」です。

少し前にトヨタがサブスクリプションサービスを始めるということで、話題になりましたが、最近「サブスクリプション」という言葉をよく聞くようになりました。

アマゾンプライムのような定額制のサービスに代表されるサブスクリプションサービスについて、詳しく知りたいなあ、という思いから手にとった一冊。

著者のティエンさんは、アメリカでサブスクリプションビジネスを手掛ける企業である「ズオラ」の創業者です。

サブスクリプションビジネスの広がりを熟知した方の本であり、大変興味深く読むことができました。

今後拡大していくであろうサブスクリプションサービスについて、自分の会社はどうやってこの流れに乗ればよいのか考えながら読めたのでかなり勉強になりました。

本の概要

そもそもサブスクリプションとはなんぞや、というところからスタートし、いくつかの業界でのサブスクリプションの広がりを具体例で説明していきます。

日本では、単なる定額課金のサービスという理解が主流だと思いますが、それは狭い範囲でしかサブスクリプションを捉えられていないということが、わかります。

後半では、企業がサブスクリプションサービスを導入する際の具体的なノウハウについて述べています。

このノウハウ部分はかなりボリュームが割かれており、勉強になる一方で、伝統的な日本企業に根付くのはなかなか大変だなーと感じます。

参考になった点

サブスクリプションの定義

サブスクリプションサービスと聞くと、アマゾンプライムとかの定額課金サービスをイメージするかと思います。
私もそういうイメージでした。

本書では、サブスクリプションサービスとは、単なる定額課金サービスと位置づけていません。従来の製品中心のサービスに代わる、顧客中心のサービス、のことを指しています。

これだけだとピンときませんが、一文引用すると

顧客とのあいだに真に直接的かつ継続的な関係を確立することによって、顧客ファーストのコンセプトを大きく前進させた

※セールスフォースやアマゾンといったサブスクリプションモデルを展開する企業を評した記述

つまり、サブスクリプションとは、顧客と継続的に関係を気づくことで、顧客のニーズを把握し、それに即したサービスを提供していく、ビジネスモデルと言えます。

継続的な関係を構築することで、定期的にサービスを受けてもらいその対価を得ることで、会社にとっては定期的な収入に、消費者にとっては自分のニーズにあったサービスに繋がります。

このようなビジネスモデルは目新しいものではないと思いますが、テクノロジーの進化に伴い、企業と消費者がダイレクトに繋がることができるようになってきているので、サブスクリプションが脚光を浴びているのです。

具体的な事例

本書ではいくつかの具体的な業界について、サブスクリプションモデルの例をあげています。

小売、メディア、交通インフラなど。

最近、日本でもトヨタがサブスクリプションサービスの導入を発表しました。
ここ数年はライドシェアリングも広まってきています。

本書でも自動車業界について触れており、従来のリースとは違い、車を所有する煩わしさから解放される新たなサービスとして、紹介しています。

確かに車に興味がない人にとっては、所有の煩わしさは本当に煩わしいだけで、使いたいときに支えるのが、一番です。

「興味がないから所有したくないけれども、使いたいニーズはある」という物とサブスクリプションは相性が良いのかもしれません。

サブスクリプション文化を根付かせる方法

本書では、サブスクリプションを根付かせるための方法がいくつか述べられています。

その一例が、サブスクリプション用の新しいP/Lを考えること。

現在の財務会計上のP/Lでは、将来の定期的な収入が考慮されないため、現在のP/Lではサブスクリプションの良し悪しを評価できません。

少し前に流行った、ファイナンス脳、とやらが必要なわけです。

最近でこそ、ファイナンスの重要性が叫ばれるようになっていますが、それが定着しているかは?です。

私は個人的には、サブスクリプションは日本でもかなり広がっていくと思っていますが、それが実現するかどうかは、このあたりのファイナンス的な考えがどれだけ企業や投資家に根付いているか、という点がき物ような気がします。

まとめ

サブスクリプションの定義から始まり、具体的な事例、サブスクリプション導入方法が、一冊にまとまっているため、サブスクリプション全体の流れを掴むには良い一冊だと思います。

サブスクリプションモデルが広がることで、消費者は様々なデータを提供することで、最適なサービスを受けられるようになっていく未来が何となく想像できます。
(個人情報が丸裸になる怖さも同時に感じます。特にサブスクリプションは今のところ海外資本優勢なので、余計に怖さを感じます。)

ビジネスとしては、サブスクリプションはサービス提供側にとっても都合が良いことも多いことから、日本でも広がっていくような気がします。

この流れに上手く乗れる企業を見つけることが、投資の面では重要かもしれません。